2011年5月14日土曜日

中平卓馬「キリカエ」展続報2

大阪で開催中の中平卓馬「キリカエ」展も残すところあと2週間となりました。5月29日(日)が最終日となります。3月19日のオープン以降、何回かの追加展示を経て、気づいてみれば出品点数283点による過去最大規模のカラー近作展。なお、次回の追加は17日(火)予定。



三辺計35mの壁に多数の印画紙が並置され直接ピン止めされた展示は見る者を圧倒し、73年の作家自身による一節を想起させずにはおきません。

「あらゆるものの羅列、並置がまた図鑑の性格である。図鑑はけっしてあるものを特権化し、それを中心に組み立てられる全体ではない。つまりそこにある部分は全体に浸透された部分ではなく、部分はつねに部分にとどまり、その向う側にはなにもない。図鑑の方法とは徹底したjuxtapositionである。この並置の方法こそまた私の方法でなければならない」

写真集とも違う形体で写真が「群」になることで初めて見えてくる世界がそこにあります(会場の情報は、当ブログ2011年3月17日を参照のこと)。