
三辺計35mの壁に多数の印画紙が並置され直接ピン止めされた展示は見る者を圧倒し、73年の作家自身による一節を想起させずにはおきません。
「あらゆるものの羅列、並置がまた図鑑の性格である。図鑑はけっしてあるものを特権化し、それを中心に組み立てられる全体ではない。つまりそこにある部分は全体に浸透された部分ではなく、部分はつねに部分にとどまり、その向う側にはなにもない。図鑑の方法とは徹底したjuxtapositionである。この並置の方法こそまた私の方法でなければならない」
写真集とも違う形体で写真が「群」になることで初めて見えてくる世界がそこにあります(会場の情報は、当ブログ2011年3月17日を参照のこと)。